- 開催日時 – 2019年5月12日(日) 10:00-17:15
- 開催場所 – 京都情報大学院大学 百万遍キャンパス
- 勉強会参加者合計 – 71名
- 参加者 – 62名(22チーム)
- 関西地区実行委員 – 9名
実施内容
2019/5/12(日)にETロボコン2019関西地区 独自勉強会ZEROを開催しました。
特にETロボコン初心者に対し、5/26に開催予定の技術教育会への準備(前提知識の習得)という位置づけで開催しており、2011年から今年で9回目の開催となります。
本独自勉強会ZEROでは、
- モデル・UML
- プロジェクトマネジメント
- 開発環境のスタートアップ
- 要素技術
などを学ぶことが出来る、合計6セッションを開催しました。
10:00-10:55 午前1の部
【A-1】過去の事例紹介:CS出場チームの体験談 (10:00~10:55)
本セッションでは、昨年関西地区大会でプライマリークラスの「CyclES」チーム、およびアドバンストクラスの「プロジェクト K」チームとして出場され、ともに総合優勝を獲得されましたパナソニック株式会社 ライフソリューションズ社 城所正博様に、昨年度の取り組みについて紹介していただきました。
社内ソフトウェア技術者のモデリングスキル育成を目的に取り組まれており、提出したモデルの評価について、目指すレベルを決めて取り組まれているとのことです。
メンバー各位の平均活動時間は、1週間当たりで平均6.3時間使っており、大会直前の8月は多くなる傾向のようです。もう少し早めの時期から平均的に活動できるようにすることが今後の課題とのことです。
活動初期の4~5月については、問題領域の知識獲得と位置づけ、個人作業をしつつ、社内でツールなどの使い方を勉強会などで共有し、初期の躓きの時間を減らす工夫をしていました。
このような実際の経験談は、とてもリアリティがあって、参加されたみなさんも参考になったようです。
11:10-12:50 午前2の部
【B-1】華麗なるUML入門
江見 圭司氏 (ETロボコン関西地区実行委員長, 京都情報大学院大学)
UMLの初歩として、クラス図(構造)、シーケンス図(振る舞い)、ユースケース図(機能)に関して、応用技術者情報処理試験の問題を題材に講義が進みました。
講義では、
オブジェクト指向とデータベースの相性の良さ
メソッドを動詞で名称を決める点の重要性
オーバーライド、オーバーロード等の用語を英語の定義から解説
また、シーケンス図を書く前にクラス図を必ず書くようにすることシナリオを記述することの重要性
を説明しました
。
【B-2】プロジェクトマネジメントことはじめ(入門編)
岩本 康宏氏 (ETロボコン関西地区実行委員, (株)コア 関西カンパニー)
プロジェクトマネジメントに関し、プロジェクトテーマ選定の重要性をETロボコンの活動でどうとらえるか、様々な開発プロセスの紹介、プロジェクトマネージャーがすべきことと必要なアウトプット、これを助けるツールや手法の紹介をしました。
14:00-15:30 午後1の部
【C-1】モデルからコードへ
野口 貴弘氏 (ETロボコン関西地区実行委員)
UMLで記述されたモデルをC++コードへ変換するためのコーディング基礎技術と変換作法について紹介しました。
併せて、より実践的な、読みやすいソースコードを書くためのテクニックにも触れました。
※ソースコードは、ETロボコンで使用率の高いC++を用いました。
【C-2】速く走るための要素技術
小島 崇氏 (ETロボコン関西地区技術委員長, (株)ジェイテクト)
競技で結果を出しているチームが採用している要素技術を解説しました。
PID制御と曲率走行、これに合わせて、カーブ等複雑な地形を早く走るためのテクニック、位置推定のいくつかのテクニック(コースのデータ化など)、バッテリーとモータ入出力の関係、電池ケースを増設した電圧の確保方法、ラインをトレースしない走行やコースの自作方法など紹介しました。
15:45-17:15 午後2の部
【D-1】オブジェクト指向の実装のカラクリとソフトウェア開発で必要となるObjectの意味と認知心理学から見たオブジェクト指向の正しい考え方
岩橋 正実氏 (ETロボコン関西地区実行委員)
要求をどのように分解整理すると理解しやすくなるのか、抽象化とは何か、ソフトウェアの開発工程含めて、整理する技術、定義する技術、変換する技術について紹介しました。
また、物体の認識するための、その役割や価値の重要性を、人間の認識能力の実験で体感しました。
この実験を通じて、オブジェクト指向の考え方を説明しました。
以上、休日ではありましたが、みなさん一日熱心に学習されていました。
ぜひ、今後のETロボコン活動に役立てていただき、地区大会まで楽しみながら取り組んでいただけるよう、実行委員一同サポートしていきます。