【事例紹介】チーム【アヒルちゃん工房】の取り組み(アフラック生命保険株式会社 杉野 順清 氏、笹川 浩一 氏)

ETロボコンに参加したきっかけ

2019年に「ETロボコン」に参加したきっかけは、とある執行役員から「プログラム開発をする楽しさを知る」ために、我々アフラックのIT部門メンバーに声掛けがあったことでした。アフラックIT部門の社員は約400名いますが、入社前や初期研修でプロクラム開発を経験しても、業務上、実際にプログラミングをしている社員は非常に少なく、ほとんどは外部ベンダーに発注しています。IT部門の原点である「プログラム開発をする楽しさを知る」ことに共感したメンバー10名(東京5名、札幌5名)が参加することになりました。

会社からのサポート

会社には、教育の一環として、マインドストームEV3の購入費用と、ETロボコン参加費用を出してもらっています。プログラム開発やモデル開発は、自主活動として業務時間外に行っています。2020年以降も、基本的には同じスタイルで参加することを検討中です。

活動内容

毎週1時間程度の全体ミーティングで、方針やスケジュールを確認し、また、役割分担などを話し合いました。東京と札幌の2拠点で開発を行っていたため、コミュニケーションや作業分担に懸念がありましたが、ツールとしてSlackやGitHubを活用したことで、ライントレース、シーソ攻略、リンボー攻略、の3つのパートに分けた分散開発もスムーズに行うことが出来ました。
大変だったのは、実際に試すための環境づくりと、実際にロボットを動かしてみることでした。コースのシートは通販で印刷してくれる業者を探し、コースアイテム(2019年の場合は、ゲートとシーソー)は手作りしました。また、週末に出てこられる人だけ集まって、実際にロボットを動かしてみて試行錯誤を行いました。その結果、なんとかコースを完走できるレベルまでプログラムを作りこむことができました。

活動を通して得られたこと

なんといっても、「地区大会で完走できた事」です。それまでの苦労が一気に報われた感動の瞬間でした。我々は残念ながらチャンピオンシップ大会には出場できませんでしたが、初出場の割にはまあまあな成績が残せたのではないかと自負しています。当初の目的だった「プログラム開発をする楽しさを知る」ということとは十分達成できました。もちろん、プログラミングやUMLでのモデリングについても学ぶことができ、今後のシステム開発業務にも役に立つと考えています。
もう1点、副次的な効果として、「普段の業務ではほとんど接点のない人と仲良くなれた」ことがありました。プライベートな時間を使って開発を行っていることもあり、普段では知ることのできないメンバーの意外な・素敵な一面も見ることができ、且つ、その素晴らしい仲間と「完走」という大きな成功体験を経験できたことは、何事にも代えがたい成果だと感じています。私たちのチームには、いろいろなスキル・経験を持った、異なる立場の多様なメンバーがいるため、日々の業務の中で困ったことがあったら、「あの人なら詳しそうだから、ちょっと相談してみよう」、ということができるようになりました。

今後の課題

冒頭に書いたように、IT部門の中でプログラミングを行っている人は少数のため、今回初めてプログラミングをする(それも、C++!!)というメンバーが少なからずいました。コース作成、モデル開発など、プログラミングしなくともできるところをやってもらいましたが、やはり、せっかくですからプログラミングもしてもらうため、教育セッションをやったり自己学習をしたりすることも大切だと考えています。
また、活動の範囲を広げていくためには、何らかの「実績」を残すことも必要です。我々にとって、その実績とは何なのか、そのことをまず考えることも必要だと考えています。

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